精神疾患

電車やバスでパニック発作に……どうすればいい?パニック発作歴15年の私が実践している対処法を紹介します

yuki-yoshida

「電車やバスに乗るとパニック発作を起こしてしまう……」
「パニック発作が起きるのが怖くて、外出できなくなってしまった……」

そんなお悩みをお持ちの方はいらっしゃいませんか?

私も10代の頃からパニック発作に悩まされていて、電車やバスを利用するのが大の苦手です。

あまりにも不安や恐怖が強すぎて、外出できなくなってしまった経験もあります。

そこで本記事では、パニック発作歴10年以上の私が、パニック発作の症状や原因などについてまとめてみました。

記事の後半では、私が電車やバスを利用する時におこなっている対処法や工夫も紹介しています。

この記事を読んで、パニック発作の知識を深めながら、上手な対処法を見つけてみてくださいね。

パニック発作の基本情報

パニック発作と上手に付き合っていくためには、パニック発作についての正しい理解が必要不可欠です。

この章では、パニック発作の症状や原因などの基本情報を紹介します。

パニック発作とは

パニック発作とは、強い不安や恐怖を伴う発作です。

突然、何のきっかけもなく不安や恐怖が大きくなり、動悸やめまい、非現実感など、さまざまな症状があらわれます。

パニック発作に悩んでいる方は、私のように、うつ病やHSPなどのさまざまな“生きづらさ”を抱えているケースが非常に多いです。

それゆえ、その症状や生きづらさがトラウマとなり、外出ができなくなったり、日常生活が送れなくなったりしてしまう人も少なくありません。

私も長らくパニック発作とともに人生を歩んでいますが、やはり、外出はかなりのストレスがかかりますし、日常生活に支障をきたすことも多々ありますね。

発作が起きると「このまま死んでしまうのではないか」「このまま一生治らないのではないか」という気持ちが頭の中を支配します。

私も、発作が起きるといつも「このまま治らなかったらどうしよう」と不安になり、その不安がさらに発作を加速させてしまいます。

けれど、パニック発作はおよそ10分以内に頂点に達し、その後30分もすれば自然に治まることがほとんどです。

もちろん、発作が直接的な原因となって命を落とすこともありません。

「発作が起きてもすぐに治まるし、命に関わることはない」と肝に銘じておくだけでも、恐怖や不安を抑えることができますよ。

予期不安と広場恐怖

パニック発作は、「パニック障害」※①という精神疾患の中心となる症状です。

では、パニック障害はほかにどんな症状があるのかと言うと、「予期不安」「広場恐怖」です。

予期不安は、パニック発作を繰り返すことで、「また発作が起きたらどうしよう」という不安や恐怖が頭から離れなくなる状態です。

発作が起きることそれ自体への不安・恐怖と、発作によって起こる別の事柄に対する不安・恐怖※②が合わさり、日常生活に支障をきたしてしまうのです。

私は10代の頃から予期不安が強く、全く外出できない時期が長くありました。

現在はひきこもりから脱出したものの、予期不安は強いままで、外出時はほぼ毎回、予期不安と闘っています。

特に私の場合は、自宅から離れた場所に出かけなければいけない時ほど、予期不安が強くなります

自宅から距離があると、そのぶん恐怖や不安と闘う時間が増えるので、しんどくなってしまうのです。

広場恐怖は、予期不安を強く感じてしまうために、特定の場所や状況を避けようとする状態です。

過去にパニック発作を起こした場所はもちろん、電車やエレベーター、人混みなど、「すぐに助けを求められそうにない場所や状況」を避けてしまうケースが多いです。

私は10代の頃から広場恐怖の気質を持っていましたが、25歳でうつ病を患ってからは、よりその気質が強まってしまいました。

その影響で、映画館やコンサートホール、行列待ちなどがかなり苦手に……。

パニック発作に悩んでいる方のほとんどは、予期不安や広場恐怖の気質を持っていると考えられます。

不安や恐怖が強すぎたり、特定の場所で実際に発作が起きてしまったりすると、私のように外出が困難となるケースも少なくありません

パニック症状を完全に乗り越えることは難しいかもしれませんが、症状と上手に付き合いながら生きていく方法を見つけられれば、今よりも穏やかな生活を送れるのではないかと思います。

※①:突然に不安感や恐怖感が強まり、呼吸困難や吐き気などの症状が引き起こされる障害。精神的な不安が強まって日常生活に支障をきたす「不安障害」のひとつ。

※②:「他人に迷惑をかけたり、事故につながったりするかもしれない」「誰も助けてくれなかったらどうしよう」など。

症状

パニック発作の一般的な症状を、以下にまとめてみました。

  • 胸の痛みまたは不快感
  • 窒息感
  • めまい、ふらつき、または気が遠くなる
  • 死への恐怖
  • 正気を失うことや自制を失うことへの恐怖
  • 非現実感、違和感、または外界との遊離感
  • ほてりまたは悪寒
  • 吐き気、腹痛、または下痢
  • しびれまたはピリピリ感
  • 動悸または頻脈
  • 息切れまたは呼吸困難
  • 発汗
  • 振戦またはふるえ

引用:MSD家庭版マニュアル

上記の症状のうち4つ以上が同時に起こると、「パニック発作」と診断されることが多いようです。

私の場合は、「窒息感」「めまい」「非現実感」「吐き気」「動悸」「発汗」の症状がよくあらわれます。

あとは、引用元にはありませんが、「過呼吸」を引き起こすこともけっこうありますね。

不安が強くなればなるほど、なんとなく息苦しくなって、呼吸がまともにできなくなります……。

原因

パニック発作の原因として考えられているものは、以下の3つです。

  • 両親や兄弟からの遺伝
  • 精神的ストレスや疲労
  • 脳内の伝達物質の異常

1つ目は、家族からの「遺伝」です。

両親や兄弟にパニック障害の症状がある場合、パニック障害を引き起こす確率は、一般の人よりも5~8倍近く高くなる傾向があると言われています。

私の場合は、母親に少しだけパニック発作の気質が見られるので、遺伝要素も少なからず影響しているのではないかと考えています。

遺伝外の原因要素は、精神的なストレスや疲労と、脳内の伝達物質です。

ストレスや疲労が蓄積されると、脳内伝達物質の働きに異常が起きやすくなります。

その異常がさまざまな症状を引き起こし、強い不安や恐怖を生んでいると考えられています。

私の場合もやはり、ストレスが多い時や、疲労が溜まっている時ほどパニックを起こしやすいなと感じます。

どうしても電車やバスに乗る必要がある時は、なるべく心身のコンディションを整えておきたいですね。

治療方法

パニック発作の一般的な治療方法としては、薬物療法と行動療法・認知療法があげられます。

薬物療法では、発作の原因となっている脳内伝達物質のバランスを整えるお薬(抗うつ剤)を処方される場合が多いです。

抗うつ剤は、不安や焦りを減少させ、気持ちを落ち着かせる効果があります。

そのため、お薬をうまく利用することで、パニック発作の症状や不安感を抑えることができるのです。

行動療法や精神療法では、パニック発作が起きにくい(=不安や恐怖に左右されない)体と心を形成していきます。

リラクゼーション法を実践したり、パニック発作に対する考えや認知を改めたり、発作が怖くて避けていたシチュエーションに少しずつ挑戦したり……。

行動療法や精神療法は、医師やカウンセラーの力を借りておこなうのが一番確実で効果的です。

しかし、外出が難しかったり、相性が良い専門家と出会えなかったりする場合は、自分でおこなうこともできます。

私は良い専門家と出会えなかったので、ネット情報や関連書籍を参考にしながら自分でおこないました。

記事の後半で紹介している対処法や工夫は、その時に自己流で編み出したものです。

“完治”とまではいきませんでしたが、行動療養や精神療法のおかげで、ある程度は症状を改善することができたかなと感じています。

発作が起こりやすい状況

パニック発作は、緊張したり、不安を感じたりしやすい場面や、逃げ場がないような状況で起こる確率が高いと言われています。

今回の記事では、電車やバスの乗車時に起こる発作について綴っていますが、そのほかにも発作が起こりやすいシチュエーションはたくさんあります。

以下に、私がパニック発作を起こしやすい(起こしたことがある)シチュエーションをまとめてみました。

  • 電車、バス、タクシー乗車時
  • 車が渋滞している時、信号待ちが長い時、高速道路走行時
  • 長いトンネル、地下鉄のホーム
  • デパートや観光地などの人混み(屋内)
  • 映画館の中
  • 学校の授業中
  • 病院や飲食店の待ち時間
  • 美容室(パーマがあたるのを待っている時)

この中で個人的に一番苦手なのが、地下鉄のホームです。

大学生の時は地下鉄を利用して通学していたのですが、乗車中に気分が悪くなったことが何回かあったんですよ。

そのようなトラウマと、「何かあっても簡単には逃げられない」という恐怖が本当にストレスで、今この文章を書いているだけでも気分が悪いです……。

効果があった対処法

この章では、パニック発作歴10年以上の私が、電車やバスでの対処法で実際に効果があったものを厳選して紹介します。

「ちょっと危ないかも」「やばそうかも」と思った時は、ぜひ実践してみてください。

アロマの匂いを嗅ぐ

一番即効性があったのは、アロマオイルの匂いを嗅ぐことです。

パニックになりそうな時にアロマの匂いを嗅ぐと、不思議と心がリラックスできて、パニックの波が落ち着きます。

私の自宅では数種類のアロマオイルを取り揃えているので、外出時は必ずどれか1本を持って行くようにしています。

特に、スイートオレンジやラベンダー、ゼラニウムなどの香りはパニック障害に効果があると言われているので、おすすめです。

目を閉じて、ゆっくり呼吸する

次に即効性があったのは、目を閉じて、ゆっくりと呼吸をすることです。

電車やバスは人が多いので、目を閉じて、視覚からの刺激をゼロにするだけでもかなり落ち着きます。

その上で、ゆっくりと鼻から息を吸い、ゆっくりと口から吐くという深呼吸を繰り返すと、徐々に平常心を取り戻せます。

先ほど紹介したアロマオイルを利用すると、より楽に深呼吸をおこないやすいです。

深呼吸をしながら「大丈夫、大丈夫」と心の中で唱えると、よりストレスを軽減できますよ。

タッピングをする

それでも治まらない場合は、タッピングが効果的です。

タッピングとは、指先のはらを使って体や顔を優しく叩き、ストレスや不安を軽減させるリラクゼーション方法です。

私は過去に、新幹線移動でしんどくなった時にタッピングをおこない、なんとか乗り越えられた経験があります。

人がいる場所でタッピングをおこなうことに抵抗がある方は、体をさすったり、撫でたりするだけでも効果がありますよ。

体の力を緩める

電車やバスに乗車する前に、体の力を緩めておくのも有効な手段です。

背伸びをしたり、肩を上げ下げしたり、手のグーパー運動を繰り替えしてみたり……。

不安や緊張が強い時は、必ずと言っていいほど体に力が入っているので、「脱力」を意識するだけでもかなり違います。

人の目が気になる場合は、自宅を出る前に少し体を動かして、力を緩めてから外出するのもおすすめです。

体を温める

脱力の後に体を温めて血のめぐりを良くすると、緊張や不安をより大きく軽減させることができます。

一番手っ取り早いのは、カイロを利用することです。

私はいつも、お腹部分にカイロを貼って外出しています。

服の上からお腹に手を当てると、じんわりとした温かさが伝わってきて安心できます。

カイロが苦手な場合や夏の暑い時期などは、手と手を擦り合わせた“摩擦熱”で顔やお腹を温めるだけでも効果がありますよ。

スマホで動画を視聴する

好きなアニメや映画、ドラマなどを視聴し、意識をそっちに向けるのもおすすめです。

アロマやタッピングは一時的な緊張を和らげるものなので、長時間移動の場合は、ある一定時間集中して楽しめるコンテンツがある方が安心かなと思います。

私はディズニーが好きなので、自分がパークで撮影したショーの動画を観ることが多いですね。

たまにですが、動画に集中しすぎて目的の駅で降り忘れそうになることもあります(笑)

「お守り」を持つ

個人的に一番おすすめしたいのが、「お守り」を持つことです。

ここで言う「お守り」とは、神社のお守りではありません。「持っているだけで気持ちが安心できる、心を守ってくれるもの」です。

推しのグッズ、小さなぬいぐるみ、写真、本、ストラップ……。

鞄につけられたり、気軽に持ち運べたりするサイズのものなら何でもオッケーです。

私はいつも、ベイマックスのぬいぐるみストラップを鞄につけています。

ぬいぐるみが目に入るだけでなんとなく安心しますし、その存在にかなり助けられています。

パニック軽減の工夫

この章では、電車やバスでのパニックを軽減するために、私が実際におこなっている工夫を紹介します。

取り入れられそうなものがあれば、ぜひ参考にしてみてくださいね。

空いている車両を利用する

電車に乗る時に一番確実なのは、空いている車両を利用することです。

どの電車であっても、出発駅や終着駅の改札・階段に近い車両は混雑する傾向があるように思います。

そこを避けて乗車できると、比較的ストレスなく乗れることが多いです。

私はいつも、どれだけ改札・階段が遠くても、なるべく人が少ない車両を探して乗るようにしています。

混雑時を避けて利用する

時間やスケジュールを調整することが可能なのであれば、混雑する時間タイミングを避けて乗車するのもおすすめです。

当たり前の話ですが、平日の朝6時から9時台、夕方5時から7時台の時間帯は、通勤や通学などで電車やバスが大混雑します。

休日も、特にGWやお盆休みなどのまとまった連休は、時間帯にかかわらず混雑する傾向にあります。

そのため私は、たいてい以下の時間に電車やバスを利用しています。

  • 平日の11時から15時くらいの間
  • 休日の10時まで、もしくは18時以降

個人的に一番乗りやすいのは、平日のお昼時と、休日の朝8時から9時台の間です。

その時間帯で空いている車両を利用すると、比較的スムーズに乗車できるかなと思います。

有料の座席を利用する

特急列車などで有料の座席がある場合は、そちらを利用するのもひとつの方法だと思います。

特急列車の指定席や新幹線のグリーン車などは、ある程度のプライベート空間が確保できるので、通常の座席よりもストレスなく過ごせます。

私は有料座席にかなり救われていて、それがあるからこそ趣味や旅行を楽しめていると言っても過言ではありません。

もちろん、余計に費用はかかってしまうのですが、お金を払う価値は十分にあると思います。

途中下車して休憩する

移動時間が長い場合は、途中で電車・バスを降りて休憩します。

休憩すると、張り詰めた緊張感が緩和されるので、気持ち的にかなり楽になります。

大学生の時は電車とバスを乗り継いで通学していたので、途中で休憩して、電車を数本見送ってから大学に行くことも多かったですね。

私の周りでも、途中下車して仕事や学校に行った経験がある人はたくさんいます。

どうしても電車に乗らないといけない時にはおすすめの方法だと思います。

家族に付き添ってもらう

私の場合は、家族(母親や父親)に付き添ってもらうことも多いです。

少し遠い場所に行く時や、体調が思わしくない時は、ほぼ必ず付き添ってもらっています。

「万が一の場合は知っている人が助けてくれる」という安心感は、パニックの軽減とストレスの緩和につながります。

もしもご家族がパニック発作に理解のある方ならば、付き添いをお願いしてみても良いかもしれません。

車やバイクで移動する

免許所持者で運転ができる方は、車やバイクを有効活用するのも良いと思います。

私自身も、どうしても電車やバスを利用しなければいけない場合を除いては、基本的には車で移動しています。

生きづらさは「乗り越えるもの」ではなく、上手に向き合って生かしていくものだと思います。

ドライブライフやバイク旅を楽しむのも、立派な生き方のひとつではないでしょうか。

まとめ

本記事では、パニック発作の基本情報と、パニック発作歴10年以上の私が電車やバスを利用する際におこなっている対処法や工夫を紹介しました。

パニック発作は、本当にしんどいです。

それによってひきこもりになってしまったり、学校や仕事に行けなくなってしまうケースも少なくありません。

けれど、対処法や工夫次第では、たとえパニック発作があっても電車やバスを利用することができる場合もあります。

あなたのペースで、あなたに合った方法で、パニック発作と向き合ってみてください。

そうして「自分だけの対処法や工夫」を確立させておくと、いざという時にきっとあなたを支えてくれるでしょう。

ABOUT ME
ゆき
ゆき
生きづらさマイスター
1996年生まれ。佛教大学大学院・社会学専攻社会学研究科(修士課程)修了。自身のさまざまな生きづらさ体験をもとに、ブログやSNSで情報発信をしながらお話会・講演等をおこなっています。
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