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HSPとは?特徴や種類、診断や発達障害との違いについて“HSP当事者”がまとめました

HSPとは
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皆さんは「HSP」という言葉をご存知でしょうか。

HSPは“敏感で繊細な気質を持つ人”を指す言葉で、当ブログのテーマである“生きづらさ”と深い関わりがあります。

しかし、ここ数年で広まった新しい概念なので、「詳しいことはよく知らない……」という方も多いかもしれません。

そこで本記事では、HSPの特徴や種類について、HSP歴20年以上の私がわかりやすくまとめてみました。

この記事を読むと、あなたの“生きづらさの正体”が紐解けるかもしれません……!

HSPとは

この章では、HSPの特徴や種類などを簡単にまとめてみました。

「HSPの基礎を知りたい!」という方は、ぜひ参考にしてくださいね。

HSP=敏感かつ繊細な人

HSP(Highly Sensitive Person)とは、光や音、匂いなどに敏感に反応し、日常生活や人間関係において繊細な感覚を持つ人のことを指す概念です。

1990年代の後半に、アメリカの心理学者「エレイン・N・アーロン」が提唱しました。

HSPの方は、なんと、非HSPの方と比べて100倍から1000倍の感覚容量を持っているというデータもあるそうです!

HSPは5人に1人の割合で存在しますが、人間のみならず、犬や猫などの動物にもHSPが存在するそうですよ。

ゆき
ゆき

「100人のうちの20人がHSP」だと考えると、気持ち的に少し安心できますね。

HSPは病気ではなく「気質」

HSPは病気ではなくて、あくまでも“その人が持つ気質”だと考えられています。

そのため、病院へ行って医師の診察を受けたとしても、うつ病や発達障害などのように診断が下りることはありません。

しかし、精神障害や不登校、ひきこもりなど、何かしらの“生きづらさ”を抱えている人は、HSPの気質を持っているケースが多いと言われています。

もしお心当たりがある方は、以下の【HSP診断チェックリスト】をぜひお試しください。

ゆき
ゆき

ブログ運営者の私も、不登校やひきこもり、うつ病やパニック障害の経験があるHSP当事者です。

HSPの対処法は、上手に向き合うこと

HSPは、その人が生まれつき持っている性格と、幼少期の生育環境が合わさって生まれるものだと考えられています。

年齢を重ねるにつれて、敏感さの度合いに変化が生まれる可能性は十分あると思います。

しかしHSPの気質自体は、基本的には生涯変わることはありません。

自身の敏感さとしっかり向き合い、上手に受け入れながら生きて行くー。それが、HSPと付き合う最大のコツだと思います。

ゆき
ゆき

「治す・克服する」のではなくて「上手に受け入れて生きていく」ことを意識しましょう!

子どものHSP(HSC)もある

アーロン博士は、HSP気質を持つ子供のことを「HSC(Highly Sensitive Child)」と定義づけています。

HSPと比べると認知度は低いですが、ここ数年で徐々に日本でも広まりつつある言葉です。

HSCのお子さまを育てる際に重要なのは、他のお子さまと比較せず、特殊な気質を認め、その気質を良い方向に伸ばしてあげることだと思います。

大人になってから敏感さと向き合い、生き方を考え直すのは、けっこう大変です。

なるべく早い段階でお子さまの特性を理解し、その子に合った生き方をサポートしてあげるのがおすすめかなと思います。

ゆき
ゆき

HSCのお子さまを対象とした『子育て本』を参考にするのもおすすめです!

HSPと発達障害との違い

「さまざまな物事に過剰反応してしまう」というHSPの症状は、発達障害の特性とよく似ています。

しかし、原因や診断方法がそれぞれで異なります。

HSPの特徴
  • 病気ではなく「気質」なので、医師の診断はつかず、セルフチェックで対応できる
  • さまざまな物事に過剰反応してしまうのは、感情処理をおこなう「扁桃体」という脳の部位が人よりも強く働いているため
発達障害の特徴
  • 「精神障害(病気)」の一種として考えられているので、医師の診断が必要
  • さまざまな物事に過剰反応してしまうのは脳機能の発達に偏りがあるため

このように、HSPと発達障害はまったくの別物ですが、症状や特性そのものは似ている部分が多くあるため、違いを判断するのは難しいです。

自身(もしくはお子さま)の生きづらさについて詳しく知りたい方は、医師やカウンセラーなどの専門家に相談してみることをおすすめします。

HSP診断:セルフチェックリスト

「自分がHSPかどうか知りたい」という方のために、アーロン博士が作ったHSPセルフチェックリストを引用してみました。

以下の23のリストのうち、「YES」が12個以上あれば、HSPの気質があると考えられています。

ちなみに私は、19個当てはまります。生粋のHSPです(笑)

自分をとりまく環境の微妙な変化によく気づくほうだ

他人の気分に左右される

痛みにとても敏感である

忙しい日々が続くと、ベッドや暗い部屋などプライバシーが得られ、刺激から逃れられる場所にひきこもりたくなる

カフェインに敏感に反応する

明るい光や、強い匂い、ざらざらした布地、サイレンの音などにに圧倒されやすい

豊かな想像力を持ち、空想に耽りやすい

騒音に悩まされやすい

美術や音楽に深く心動かされる

とても良心的である

すぐにびっくりする(仰天する)

短期間にたくさんのことをしなければならない時、混乱してしまう

人が何かで不快な思いをしている時、どうすれば快適になるかすぐに気づく(電灯の明るさを調節したり、席を替えるなど)

一度にたくさんのことを頼まれるのがイヤだ

ミスをしたり物を忘れたりしないよういつも気をつけている

暴力的な映画やテレビ番組は見ないようにしている

あまりにもたくさんのことが自分の周りで起こっていると、不快になり神経が高ぶる

空腹になると、集中できないとか気分が悪くなるといった強い反応が起こる

生活に変化があると混乱する

デリケートな香りや味、音、音楽などを好む

動揺するような状況を避けることを、普段の生活で最優先している

仕事をする時、競争させられたり、観察されていると、緊張し、いつもの実力を発揮できなくなる

子供のころ、親や教師は自分のことを「敏感だ」とか「内気だ」と思っていた

参考文献:『ささいなことにもすぐ「動揺」してしまうあなたへ。』エレイン・N・アーロン(訳:富田香里)

HSPの特徴

アーロン博士によると、HSPには「DOES(ダズ)」と呼ばれる4つの特徴があるのだそうです。

これらの特徴や、特徴に基づく症状をどのように活かし、自分の長所としていくかを考えることが大切です!

HSPの特徴①:物ごとを深く処理する(Depth of processing)

HSPさんは、物事を深く考えやすい傾向があります。

さまざまなことを瞬時に感じ、他の人が考えないようなことをひたすらに深く考えるのです。 

起きている間は常に考え事をしているので、頭の中でずっと辞書を引いているような感覚もありますね。

私の場合は、1を聞いただけで100以上のことを考えてしまったり、他人の言動を深読みしすぎてしんどくなってしまったりすることが多いです……。

HSPの特徴②:刺激を受けやすい(Overstimulation) 

たくさんの刺激を受けやすいのも、HSPさんの特徴のひとつです。

他人の表情や声色はもちろん、匂いや音、料理の味、衣類の肌触りなど……。

非HSPの人が「そんなに些細なことも気になるの!?」とびっくりしてしまうほど、私たちはさまざまな刺激とともに毎日を過ごしています。

私は人よりも刺激を受けやすい体質らしく、少量の薬で副作用が出てしまったり、体に合わないものを食べるとすぐにお腹を壊したりしてしまいます。

HSPの特徴③:感情反応や共感性の強さ(Emotional intensity)

HSPさんは共感力が高く、他人の気持ちを察しやすい特徴も持っています。

相手のちょっとした仕草や目線を無意識のうちにキャッチしてしまうので、相手の考えていることが手に取るようにわかります。

相手の気持ちがわかってしまうことで、良くも悪くもその人の感情に左右されてしまうHSPさんも少なくありません。

私の場合はネガティブな感情を持つ人の気持ちに左右されやすく、同じ空間にピリピリしている人がいるとものすごく疲れます……。 

HSPの特徴④:繊細な感覚(Sensory sensitivity)

HSPさんは、鋭くて繊細な感覚を持っています。

そのため、カフェインや添加物に敏感に反応したり、強い光や大きな音に苦手意識を持っている人も少なくありません。

どの分野で鋭い感性を発揮するかは人によってさまざまで、その感性を生かして日常生活を豊かにすることもできます。

私の場合は、嗅覚の鋭さを利用して、アロマオイルに癒されることが多いです。

HSPの種類

HSPは4つの種類にわかれていて、それぞれ微妙に特徴が異なります。

以下で詳しく説明します。

HSPの種類①:内向型HSP(HSP)

HSPの中で一番オーソドックスかつ人数が多い※①のが、内向型HSPです。

繊細さと敏感さゆえに、刺激を求めず穏やかに過ごすことを好みます。

内向型HSPは、誰かと一緒にいるよりも一人でいる方が好きだったり、話すことよりも文字を書く方が得意だったりする人が多いです。

ちなみに私は、純度100%の内向型HSPです(笑)

※①:HSPの気質を持つ人の7割が内向型HSPだと言われています。

HSPの種類②:外向型HSP(HSE)

内向型HSPと対になるのが、外向型HSP(HSE:Highly Sensitive Extroversion)です。

「繊細かつ敏感で、自ら刺激を求めることはないけれど、人との関わりが好き」という方が当てはまります。

HSEの特徴を持つ方は、HSPの約3割と言われており、明るく社交的な性格の方が多いです。

内向的な側面を持ちながらも、人と会ったり、話したりすることでエネルギーが湧いてくる方は、HSEの気質を持っていると言えるでしょう。

HSPの種類③:刺激追求型×内向型HSP(HSS型HSP)

HSS(High Sensation Seeking)型HSPは、繊細かつ内向的な性格ながらも外交的な側面も持ち合わせています。

人とのコミュニケーションはあまり得意ではない反面、チャレンジ精神が旺盛で、アクティブな活動を好む方が多いです。

しかし、たくさんの活動でストレスやを受けすぎて、疲れてしまう方も少なくありません。

HSS型HSPの方は、刺激を求める気持ちと敏感体質のバランスを上手に取りながら活動していきましょう。

HSPの種類④:刺激追求型×外向型HSP(HSS型HSE)

HSS(High Sensation Seeking)型HSEは、「繊細だけど外向的で、刺激を求める」という特徴を持っています。

人と接することを好み、さまざまな環境に自ら飛び込んで行ける方も多いです。

また、HSS型HSPは、新しい刺激をどんどん求めるため、“飽き性”の特徴も持っていると言われています。

その特徴と敏感体質を理解した上で色々なことに挑戦すると、活動の幅が広がって上手に生活できそうです。

まとめ

本記事では、HSPの特徴や種類について、HSP当事者の視点からまとめてみました。

ここ数年で、HSPの関連書籍の販売や当事者交流会は急増し、“HSP=生きづらさの代名詞”として語られることも多くなりました。

HSPのことを詳しく知ることで、気持ちが楽になったり、救われたりすることはたくさんあると思います。

もっともっとHSPが広く世の中に知れ渡り、HSPに理解ある社会になっていけばいいなと思います。

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ABOUT ME
ゆき
ゆき
たんぽぽの栞・運営者
1996年生まれ。不登校・ひきこもり状態から、三度の退学を経て大学院修了。
現在は、うつ病やパニック障害、HSP、婦人科疾患と向き合いながら日々を生きています。
体験談を語る講演やイベントも、京都府を中心に不定期で開催中です!
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