婦人科系の悩み

子宮内膜症で腹腔鏡手術!費用や入院期間、手術後の症状や過ごし方など、体験談をもとに紹介します

yuki-yoshida

「子宮内膜症の治療で手術をすることになった……」
「はじめての手術入院で不安がいっぱい……」

その気持ち、めちゃくちゃわかります。

私も5年前(24歳の時)に内膜症のチョコレート嚢胞が悪化し、人生初の手術入院を経験することになりました。

この記事では、内膜症の治療で手術入院を経験される方向けに、手術の方法や費用、入院中・退院後の過ごし方について、自身の手術入院の体験談をもとにまとめました。

医療機関の情報からは得ることができない、経験者だからこそ伝えられる情報をぎゅっと詰め込みました。

これから手術入院を経験される方は、ぜひ参考にしてください。

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子宮内膜症の手術入院

この章では、子宮内膜症で手術入院をする場合の入院期間や費用について、体験談をもとにまとめました。

手術入院の詳しい情報を知りたい方は、ぜひご覧ください!

手術方法

子宮内膜症には、「開腹手術」※①と「腹腔鏡手術」の2種類がありますが、最近は腹腔鏡手術をおこなう医院が多いようです。

腹腔鏡手術は、お腹に数か所の小さな穴をあけ、モニターでお腹の様子を確認しながらおこなう手術方法です。

私も腹腔鏡手術を経験し、4か所の穴をあけて手術をおこないました。

術後直後は傷跡が少しだけ目立ちましたが、数か月~半年くらいに経つと、ほとんど見えなくなりました。

術後5年が経った今では、どこに傷があったのか全くわからない状態になっていますよ。

内膜症の手術は、全身麻酔でおこなわれました。

麻酔については麻酔の専門医が対応してくれ、事前に詳しい説明も受けました。

全身麻酔を経験したのはこの時が初めてでしたが、私の場合は、術後の吐き気がものすごかったです。

手術当日はわりと平気でしたが、翌日は食事をほとんど食べられず、お見舞いに来た母ともほとんど話せませんでした。

正直、手術そのものよりも、吐き気の方がしんどかったかもと思うくらいです(笑)

もともと、緊張や自律神経の乱れで吐き気を起こしやすい体質だったことも影響したのかもしれませんが、本当に辛かったです。

※①:腹腔内を大きく切開する手術方法。

所要時間

手術の所要時間は、病気の状態やその時の状況によってさまざまだと思いますが、私が手術した医院では「平均3時間前後」と言われました。

私の場合も、13時から手術室に入り、16時前には病室に戻っていたので、ちょうど3時間程度だったようです。

ただ、ネット情報を調べていると、2時間以内で終わる方も少なくないようです。

私はチョコレート嚢胞が9cmだったので、それよりも病状が軽い方は、もう少し短めの時間で終わる可能性もあるかもしれません。

入院期間・費用など

子宮内膜症の治療で手術をおこなう場合の入院期間は、おそよ4~5日です。

私も5日間の入院で、手術から3日後に退院ができました。

入院費用については、医院や手術方法によってピンキリだと思いますが、だいたいの相場は20~80万円くらいだそうです。

私の場合は、個人医院で腹腔鏡手術をおこない、約20万円弱でした。

この費用は、2020年4月時点での、3割負担のものとなります。ひとつの目安として考えていただければ幸いです。

私の入院体験談

この章では、子宮内膜症の治療で5日間の入院を体験した私のエピソードを紹介します。

症状はもちろん、手術や退院の流れなども詳しく綴っていますので、もし良ければ参考にしてみてください。

入院初日

入院初日は夕方に病院に到着し、特に何もせず過ごしました。

手術は次の日だったので、「ただ病院に泊まるだけ」という感じでしたね。

ただ、私の場合は人生初の手術入院だったので、とにかく不安が強くて仕方なかったです。

あまりにも不安が大きすぎて、途中で過呼吸を起こしてしまったほど……。

健康な状態で一人ぽつんと病室にいるのは、メンタル的にかなりしんどいです。

これから入院予定の方は、何か気を紛らわせられそうなものを持って行くのがおすすめかなと思います。

手術当日の朝

入院2日目は、いよいよ手術当日。

手術は午後の部だったので、朝食は普通に出してもらえました。

(午前の部の方は、朝食なしでした。)

おいしい朝食を食べられたのは良かったですが、とにかくこの「手術までの待ち時間」がかなりしんどかったですね。

スマホをいじったり、お気に入りの曲を流して踊ったり、ボーッとしたり……。

色々なことをしていましたが、緊張や不安が強く、何をやっても“うわの空”という感じでした。

正直、生きた心地がしませんでしたね。

手術準備

11時半くらいに看護師さんが来て、手術着に着替えるようアナウンスがありました。

その後、麻酔の先生が来て、手術の詳しい説明をしてくださったのですが、不安がピークに達した私は大号泣。

「とにかく早く終わってほしい、でも、できることなら手術なんてしたくない……!」

そんなことを、ひたすらに考えていました。

いざ手術へ

13時頃、再び看護師さんがやってきました。

そして、よくわからないまま看護師さんについて行くと、そこはもう手術室の前でした。

(付き添いに来ていた母とは、ここでお別れでした。)

おそるおする手術台に上がると、先生たちは淡々と準備を始めました。

そして、麻酔を入れられ、「だんだん眠たくなりますよ〜」と言われて……。

……

……

気付いたら、病室のベッドにいました。

手術直後

「もう終わったで」

目が覚めて、母にそう言われた瞬間、安心して涙がドバーーーーーっと出ました。

我ながら、よく頑張りました(厳密に言うと、私は何もしていませんが……)。

手術直後は、かなり意識が朦朧としていました。

ただ、すごくお腹が痛かったことと、とにかく酸素マスクが邪魔で何度も付け直していたことは、なんとなく覚えています。

意識がはっきりしてきたのは、心電図やら何やらの機械装置が全て外れ、点滴だけになった21時頃でした。

ちょっとだけスマホをいじる余裕も出てきて、LINEを返したり、Twitter(X)を見たりしてましたね。

あとは、看護師さんに支えてもらいながらベッドに座る練習もしました。

ぬぼーっとして、とにかく身体全体が痛くて重くてしんどかったです。

「なんじゃこりゃ!」と思いました。はじめての感覚でした。

手術後の夜

23時頃、さっきよりスムーズに座ることができるようになったので、看護師さんに付き添ってもらいながらトイレに行く練習をしました。

これがまあ、めちゃくちゃしんどかったですね。身体の節々が痛いこともあって尿が出ず、かなり心配でした。

夜中2時頃には、看護師さんに手伝ってもらいながら服を着替え、温かいタオルで身体を拭いてもらいました。

今まで当たり前にできていたことが自分の力だけじゃ何ひとつできなくなっていて、なんだかとても情けなくなりました。

そりゃあ数時間前まで全身麻酔で強制的に眠らされていたのですから、しゃーないですね。

その後、ウトウトしながら過ごしていたら、いつの間にか朝になっていました。

手術後からずーっと出なかった尿も出て、点滴も外れ、めでたし、めでたし!でした。

入院3日目

入院3日目(術後1日目)は、1日中、諸々のしんどさに耐えながら過ごしていました。

麻酔の影響でずっと吐き気がしてご飯をほとんど食べられず、眠たいのに眠れず、何もする気が起きず……。

ベッドから起き上がり、立ち上がってトイレに行くだけでも一苦労でした。

お見舞いに来てくれた母ともほとんど話せず、得体の知れない不安や恐怖が全神経を支配し、頭がおかしくなりそうでした。

5日間の入院生活のなかで1番しんどかったのは、間違いなくこの3日目です。

ただひたすらに、「しんどいな~」と思っているだけで1日が終わりました。

入院4日目

入院4日目(術後2日目)は、前日よりも身体が動きやすくなっていました。

ご飯もほとんど食べることができて一安心でしたね。

ようやく「何かをしよう!」という気になり始めたので、持ってきた本を読んだり、コロナの情報を収集※②したりしながらゆったりと過ごしました。

お見舞いに来てくれた母と会話を交わす余裕もありました。

夜には主治医の先生の診察があり、改めて、手術に関する詳しい説明を受けました。

10日前に手術が決まった時のチョコレート嚢胞の大きさは8cmだったのですが、手術時にはなんと、9cmになっていたようです。

「痛かったでしょう」と先生。それはもう、ものすごく痛かったです……(笑)

先生の診察の後は、前日には無理だったシャワーに挑戦しました。身体も心もスッキリできて嬉しかったです。

※②:私が入院したのは、2020年4月中頃。ちょうどコロナが流行し始め、緊急事態宣言が出され始めた頃でした。

入院5日目

朝一番の検温と同時に、血液検査をされました。この結果次第で、「今日退院できるかどうか」が決まるようでした。

この頃には“安静にしていると痛みが出ない”状態になっていたので、当時運営していた個人ブログを書いていました。

お気に入りの曲を軽く踊る元気も出てきて、わりと平和でしたね。

そうしたら、お昼ご飯を食べ終えた頃に、看護師さんがやってきて、今日の退院がOKになったと伝えてくれました。嬉しかったです。

その後、家族に連絡し、車で迎えに来てもらって家に帰りました。

片道40分ほどの道のりでしたが、ちょっと振動が起きただけでお腹が痛んでめちゃくちゃ辛かったです……。

退院後の様子

この章では、退院後の症状や過ごし方についてまとめました。

どんな過程を経て身体が回復していくのかをリアルに綴っています!

退院翌日

退院した翌日の夕方に、38度の熱を出しました。久しぶりの高熱にびっくりし、思わず体温計を二度見。慌てて病院に連絡しました。

電話に出た先生は、冷静にこうおっしゃいました。

担当医
担当医

無理して動くと、高熱が出ることが多いです。数日間はできるだけゆっくりしてください。

この日の私は、朝からずっと、入院中の荷物整理をしていました。先生の言う通り、かなり無理して動いていたのです(笑)

その後、お薬を飲んで寝たらすぐに治りましたが、とてもびっくりしましたね。

これから入院を経験される方は、どうか退院後に無理をしないようにしてください。

退院直後の体力や免疫力の低さを舐めていたら、痛い目に遭います……。

退院後数日間

退院してから数日は、ベッドからほとんど動かず、ひたすら安静に過ごしていました。

おかげでそれ以降、熱を出すことは一度もありませんでしたが、身体の節々がかなり痛かったです。

手術の痛みはもちろん、1週間近く“ベッドとお友だち状態”だったので、体がギチギチに固まってしまっていたんですよね……。

病院と違ってベッドの高さも調節できませんし、動くたびに激痛が走るので、ずっとイライラしていました。

しかし、そんな日々もほんの一瞬で、徐々に痛みは落ち着いていきました。

日を重ねるごとに「できること」と「動ける範囲」が増えていったので、それはすごく嬉しかったです。

健康のありがたみを、ひしひしと感じました。

退院から10日後

退院から10日後、久しぶりに外へ出ました。

母の運転する車で1時間くらいドライブしただけでしたが、久しぶりの外の景色はとても新鮮でした。

その次の日は、近くの公園をお散歩。しかし、たったの10分間、ゆっくりと歩いただけで、驚くほどフラフラに……。

想像以上に体力が衰えていて、ものすごくショックを受けました。

それから3日後には、自宅近くの神社へ行きました。普段は5分ちょっとで到着するのですが、坂道に苦戦して15分もかかりました。

めちゃくちゃスローペースで歩いているお爺さんに追い抜かされて、すごく悲しかったですね(笑)

手術入院の大変さを改めて思い知った出来事でした。

退院から2週間~1か月後

その後は少しずつ歩く時間や距離を増やし、地道なリハビリを続けました。

そして、退院から2週間が経った頃には、ようやくいつものペースで歩くことができるようになりました。

傷が痛むこともほぼなくなり、車の運転もできるようになって嬉しかったです。

そして、退院から1か月後には、手術前と同じような生活を送ることができるようになりました。

2020年の4月に手術をしたので、「緊急事態宣言が解除されるのと私の身体が回復するのとどっちが早いかな?」と思っていましたが、私の方が早かったですね。

「コロナに勝った!!!!」と思いました(勝ってはいない)。

術後5年が経った現在の様子

現在は手術から5年が経ちましたが、おかげさまで、再発なく元気に過ごせています。

PMSや生理痛がゼロになったわけではありませんが、生理時の腹痛は、手術前と比べてかなり楽になりました。

「痛すぎてベッドで寝込む」ということがなくなったのは、個人的にはものすごい革命でした。

術後の一番大きな変化は、低用量ピルを服用するようになったことです。

低用量ピルは生理痛やPMS、子宮内膜症の治療に効果があり、1日1錠を決まった時間に飲むことで排卵を抑制し、子宮内膜の増殖を防いでくれます。

ピルは吐き気の症状が出やすいと言われていて、私も、飲み始めて数日間は、軽い吐き気がありました。

しかし、すぐに問題なく飲めるようになり、約5年間同じものを服用しています。

担当医によると、ピルの吐き気は長期間飲み続けることで次第に収まっていくことが多いそうです。

もしも1~2か月経っても症状が改善されない場合は、医師に相談してみてくださいね。

まとめ

本記事では、子宮内膜症での手術入院や退院後の過ごし方について、体験談をもとにゆるやかにまとめてみました。

入院していたとき、主治医の先生がこんなお話をしてくれました。

担当医
担当医

入院生活は辛いこともあると思いますが、今後のあなたの人生に必ずプラスに働きます。

この入院生活をあなたなりに生かしていただいて、これからも色んなことを頑張ってほしいです。

長かったようで短かった、5日間の入院生活。そして、退院後の生活。

辛いことやしんどいこともたくさんありましたが、今振り返ると、健康のありがたみや、“当たり前”の大切さをたくさん感じられた経験だったなと思います。

これから手術入院を経験される方も、必ずその体験が人生の糧になる日が来るはずです。

あなたの手術が無事に終わり、軽やかな日々を過ごせますように。応援しています!

ABOUT ME
ゆき
ゆき
生きづらさマイスター
1996年生まれ。佛教大学大学院・社会学専攻社会学研究科(修士課程)修了。自身のさまざまな生きづらさ体験をもとに、ブログやSNSで情報発信をしながらお話会・講演等をおこなっています。
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