「なぜ学校に行けないの?」子どもが不登校になる原因・背景を経験者・元研究者が解説します
お子さまが不登校になった時、親御さまが一番気になるのは「なぜ学校に行けなくなったのか」だと思います。
原因がわからないと不安になりますし、どう対処して良いかわからず余計に混乱してしまいますよね。
そこで今回は、子どもが不登校になる原因や背景について、不登校経験者・元研究者視点からまとめてみました。
記事の後半では、中学2年生で不登校を経験した私の「学校に行けなくなった5つの理由」についても紹介しています。
お子さまの不登校で悩まれている方や、不登校のお子さまを支援されている方は、ぜひご一読ください。

ブログ運営者・ゆきは、中高と不登校を経験した後、大学院で不登校の研究をした実績があります。

- 子どもが学校に行けなくなった理由がわからない
- 不登校の子どもが何を考えているか知りたい
- 不登校経験者の体験談を参考にしたい
不登校になる原因・背景

はじめに、不登校の経験者・元研究者の視点から「子どもが不登校になる原因・背景」について考えてみたいと思います。
あくまでも“一個人の経験と研究”に基づく考えとなりますが、お子さまの不登校を理解する一助となれば幸いです。
不登校になる=ストレスがある
お子さまが不登校になる一番の原因は、日常生活において、お子さまが何らかのストレスを抱えているからだと考えています。
- 学校生活や集団行動
- 友人や先生との対人関係
- 家庭環境や親子・兄弟関係
- 地域交流
- 習い事
- 学業面
- HSPや発達障害などの特性
不登校になるお子さまは、上記に代表される要素において「何かしらの心の違和感や苦しさを抱えている」ケースが多いです。
じわじわと心に溜め込んだストレスは、まるでコップの水があふれるかのように、いつの日か限界を迎えます。
そのようにしてコップの水があふれ、お子さまのストレスが限界を迎えた合図が「不登校=学校に行けなくなる」なのだと思います。

原因に思える出来事は“きっかけ”にすぎない
- 友人と喧嘩をしてから学校に行かなくなった
- テストで悪い点数を取ってから学校に行かなくなった
上記のような出来事があった場合「これが不登校の原因なのかな?」と思う親御さまも少なくないと思います。
しかし、それらの出来事は不登校の“原因”ではなく、不登校の“きっかけ”に過ぎない場合が多々あります。

「ストレスが限界を迎えたタイミングが、たまたまその出来事の時だった」と考えるほうが自然です。
「不登校になるまでは元気だったのに」と思えるお子さまでも、心の奥でストレスを抱え続けていた可能性も少なくありません。
そのため、不登校のきっかけとなる出来事があったとしても、安易にそれを「不登校の原因」として結びつけないことが大切です。
ストレスが複数あるケースも
お子さまが抱えているストレスは単一ではなく、複数の要素が絡み合っているケースも多いです。
そのため、お子さまのストレス要因(不登校の原因)をなかなか特定できず、もどかしい時間を過ごす方も少なくないと思います。

私自身も、不登校の原因(=ストレス)の特定には数年単位の時間を要しました。
1日でも早くストレスや原因を特定し、少しでも前に進みたい気持ちは、経験者として痛い程わかります。
しかし、焦りや不安が強い時こそ、動きを休める勇気も必要だと感じています。
絡まった糸をひとつずつ解くように、丁寧に、ゆっくりお子さまと向き合ってあげてほしいと思います。

なぜ学校に行けないかは、本人もよくわからない
お子さまの不登校に悩む保護者の方に知っていただきたいのは、
なぜ学校に行けないかは、子ども自身もよくわからないことが多い
ということです。

これは一番の“不登校あるある”だと言っても過言ではないように思います。
かく言う私も、不登校を経験してからの数年間は、自分の身に何が起きているのかがよくわかりませんでした。
それらをすべて理解し、自身の不登校体験を言語化できるようになったのは、20歳で大学に入ってからです。
本人すらも学校に行けない理由がわからないし、上手に言語化できないからこそ苦しい時期が続く
そんなお子さまの苦しみやもどかしさに寄り添いながら、穏やかな日々を過ごしていくことが大切だと思います。

体調不良は“ストレス放出”の証
不登校のお子さまの中には、腹痛や微熱、倦怠感などの身体症状に悩む方も少なくありません。
私も数々の体調不良に悩まされていたのですが、今振り返ってみると「“身体症状”という形で心に溜まったストレスを放出していた」のだろうなと思います。
- 何にストレスを感じているのか?
- なぜ学校に行くことができないのか?
それらを上手に表現できないがゆえ、心に溜まったストレスが「身体症状」となってあらわれたのだと思います。
私は、自身の不登校を言語化できるようになって以降、長年悩んでいた腹痛や吐き気の症状がすっかり消えました。
「体調不良はストレスを放出している証」だと理解した上で、お子さまのしんどさや苦しみに寄り添いながら過ごしてほしいです。
ストレスを取り除けば再登校できる?
不登校の原因となったストレスを取り除けば、再登校できるのでは?
そう思われる保護者さまもいらっしゃるかもしれませんが、それで再登校できるケースは極めて稀だと感じています。
不登校が生じた時と同じような環境にさらされた場合、また不登校に逆戻りしてしまう可能性が高いからです。

たとえば、不登校の原因(=ストレス)が「学校の人間関係」だと判明した場合、
- 転校して新しい学校に行けば、すべて解決するのでは?
と考えがちですが、実際はそんなに単純な問題ではないように思います。
学校の人間関係が不登校の原因だったとしても、そのストレスが「相手との相性」ではなく、
- 発達障害によるコミュニケーションの不協和音
- HSPによる対人疲労の感じやすさ
- 社交不安障害(対人恐怖)による身体症状
などに起因していた場合、そのような自身の特性・性格を考慮した生き方を実践しないと、ポジティブな変化は期待できません。

過去の私がまさにそうで、“生き方の見直し”を怠ったが故に、ひきこもりや退学を繰り返してしまいました。
お子さまの将来を考えた時に大切なのは、ストレスの“除去”ではなく“解明”だと思います。
- 子どものストレスになっているものはなにか?
- そのストレスと上手に付き合っていく方法はなにか?
ゆっくりと時間をかけながら、お子さまに合った生き方やストレス対処法を考えてみてほしいです。

私が不登校になった5つの理由

この章では、中学2年で不登校になった私が、学校に行けなくなった5つの理由について振り返ってみました。
少しでもお子さまの不登校の原因・背景を探るヒントになれば幸いです。
両親との関係が悪く、自宅に居場所がなかった
1つ目は、両親との関係が悪く、自宅に居場所がなかったことです。
- 私の見えるところで大喧嘩を繰り広げる
- 私の気持ちを否定・批判ばかりする
- ちょっとしたことですぐに怒鳴る
- 私の行動をコントロールしたり、監視したりする
10代の頃の両親は、上記のように私の心を傷つける行動ばかり取っていました。
今振り返ると、“毒親”と言われてもおかしくない両親だったように思います。
小学校に入った頃にはすでにそんな感じだったので、正直、自宅には居場所がなかったです。

一人っ子でほかに頼れる相手がいなかったことも辛かったですね……。
友人関係がうまくいかず、孤独を感じていた
2つ目は、友人関係がうまくいかず、孤独を感じていたことです。
幼稚園の頃から、学校や習い事のコミュニティでいじめを受けることが何度かありました。

「いじめ」と言っても決して大げさなものではなく、悪口を言われたり、仲間外れにされたり……などです。
そのため、対人関係への不安や恐怖が強く、学校の休み時間などは一人で過ごすことも多かったです。
私が不登校になった中学2年生の時は、クラスメイトと仲が良かったため、直接的に嫌な思いをすることはありませんでした。
しかし、これまでのトラウマが強すぎて、
- いつか裏切られてしまうかもしれない
- いつか嫌われてしまうかもしれない
という思いが強くあり、友人と遊んだり会ったりことを楽しむ余裕はなく、毎回ものすごい疲労感に襲われていました。


私は普通の子どもより哲学的・理論的なところがあったので、その価値観を理解してもらえない“疎外感”も、ストレスのひとつになりました。
塾講師から対応に傷つき、人間不信が強まった
3つ目は、小学生の頃から通っていた学習塾の先生からの対応に傷つき、人間不信が強まったことです。
小学生の時は優しい先生が多かったのですが、中学に入ってから担当の先生が代わり、キツイ言動をとられることが多くなりました。
- テストで高得点を取っても褒めてもらえない
- 生徒を差別し、あからさまに対応を変える
- 「なぜあなたは○○さんのように頑張れないの?」と言われる
- 個人的なイライラを生徒にぶつけ、不機嫌な態度を取る
上記はほんの一部ですが、子どもの心を傷つけ、嫌な気持ちになるような言動がほとんどで、帰宅後は毎日泣いていました……。
両親に話しても理解してもらえず、むしろ塾講師と一緒になって私を叱ることもあって、すごく苦しかったです。

「信頼できる人が誰もいない……」という思いは、生きる希望を喪失することにもつながりました。
学校の環境や授業内容が合わなかった
4つ目は、学校の環境や授業内容が合わなかったことです。
- 「個性を大事に」と謳いながら、決まった授業や行動を強要させられる学校生活に大きな違和感がありました。
- 授業中に先生が生徒をランダムに指名した時、見当違いなことを言ってしまい、恥ずかしい思いをすることが多々ありました。
- 体育や美術などの“正解”がない副科目は、担当教師によって評価が大きく変わることが多くて苦手でした。
- 「たくさん勉強して良い学校や会社に入ることが幸せ」という世間の価値観に疑問があり、勉強に対する“無価値感”を感じていました。
このように、小学生の頃から学校生活のさまざまな場面でストレスを感じていて、思うように学校生活を楽しむことができませんでした。


ちなみに教師からの「指名制度」は、対人恐怖症(社交不安障害)発症の大きなきっかけとなりました。
HSP(HSC)による「体調不良」がつらかった
5つ目は、HSP(HSC)による「体調不良」がつらかったことです。
小さな頃から繊細で、人一倍感性が敏感だった私にとって、いろんな刺激が絶えず降り注ぐ学校生活は「ストレス」以外の何物でもありませんでした。
- 教室のざわざわした雰囲気に疲れる
- 給食や体育館などの独独の匂いにストレスを感じる
- クラスの空気の悪さを自然に察知する
- 誰かが怒られている姿を見るのがつらい
これらはほんの一部ですが「周りは平気そうなのに、自分だけがぐったりしている」と感じる場面が多く、とてもしんどかったです。

まとめ|“原因探し”よりも、“ストレスの解明”を大切に

本記事では、不登校の経験者・元研究者が「不登校の原因・背景」を整理しながら、自身が不登校になった5つの理由を振り返りました。
不登校のお子さまに最も必要なのは、
- お子さまのペースに合わせて、ゆっくりと不登校の原因(ストレス)を見つけ出す
- そのストレス要因に基づいて、お子さまに合った生き方や進路を親子で一緒に考える
ということだと思います。
決して簡単な作業ではありませんが、根気強く向き合い続けることで新たな人生がひらけてくると思います。
不登校に悩むすべてのお子さま、親御さまに明るい未来が待っていますよう、心から願っています。


