パニック障害との向き合い方:電車内でのパニック発作を軽減する7つの対処法

「パニック発作が怖くて、電車に乗るのが怖くなってしまった……」
そんなお悩みをお持ちの方はいらっしゃいませんか?
私も10代の頃からパニック障害を患っており、電車を利用するのが大の苦手です。
発作に対する不安や恐怖があまりにも強すぎて、家から出られなくなってしまった経験もあります。
そこで本記事では、パニック障害と10年以上向き合い続けている私が、電車を利用する時におこなっている対処法や工夫をまとめました。
この記事を読んで、パニック発作の知識を深めながら、上手な対処法を見つけてみてくださいね。
実践している対処法
この章では、パニック障害歴10年以上の私が、電車を利用する際に実践している対処法を7つ紹介します。
人によって合う・合わないはあると思いますが、少しでもご参考になれば幸いです。
アロマの匂いを嗅ぐ
1つ目は、アロマオイルの匂いを嗅ぐことです。
発作が起きそうな時にアロマの匂いを嗅ぐと、不思議と心がリラックスできて、緊張の波が落ち着きます。
私はいつも、お気に入りのハンカチにオイルを数滴垂らし、鞄の中に忍ばせています。
ハンカチのふわふわした手触りも「緊張の軽減」に一役買ってくれるので、おすすめです!
目を閉じてゆっくり呼吸する
2つ目は、目を閉じてゆっくりと呼吸をすることです。
電車内はとても人が多いので、目を閉じて、視覚からの刺激をゼロにするだけでもかなり落ち着きます。
その上で、ゆっくりと鼻から息を吸い、ゆっくりと口から吐くという深呼吸を繰り返すと、徐々に平常心を取り戻せます。
先ほど紹介したアロマオイルを利用すると、より楽に深呼吸をおこないやすいです。
深呼吸をしながら「大丈夫、大丈夫」と心の中で唱えると、よりストレスを軽減できる気がします。
タッピングをする
3つ目はタッピングをすることです。
タッピングとは、指先のはらを使って体や顔を優しく叩き、ストレスや不安を軽減させるリラクゼーション方法です。
私は過去に、移動中の車内で発作が起きそうな時にタッピングをおこない、なんとか乗り越えられた経験があります。
乗客が多くて人目が気になる時は、体をさすったり、撫でたりする“簡易タッピング”をおこなうことも多いです。
体の力を緩める
4つ目は、電車に乗る前に体の力を緩めておくことです。
背伸びをしたり、肩を上げ下げしたり、手のグーパー運動を繰り替えしてみたり……。
不安や緊張が強い時は、必ずと言っていいほど体に力が入っているので、できるだけ「脱力」を心がけています。
実際に体を動かさなくても「力を抜こう」「リラックスしよう」と意識するだけでも、体の軽さは全然違うと感じます。
体を温める
5つ目は、体を温めることです。
体を温めて血のめぐりを良くすると、手っ取り早く全身の力を緩めることができます。
私はいつも、お腹部分にカイロを貼って外出しています。
服の上からお腹に手を当てると、じんわりとした温かさが伝わってきて安心できます。
夏の暑い時期は、お腹や腕、胸などを手でさすって、少し温めてから外出することも多いです。
スマホで動画を視聴する
6つ目は、スマホで好きな動画を視聴し、緊張から意識を逸らすことです。
アロマやタッピングは「一時的な緊張を和らげる」という意味合いが強い気がします。
そのため、長時間移動の場合は、ある一定時間集中して楽しめるコンテンツがある方が安心かなと思います。
私はディズニーが好きなので、YouTubeでお気に入りのショーやパレードの動画を観ることが多いです。
「お守り」を持つ
7つ目は「お守り」を持つことです。
ここで言う「お守り」は神社のお守りではなく「持っているだけで気持ちが安心できる=心を守ってくれるもの」です。
小さなぬいぐるみやストラップ、推しアイドルの写真など、鞄につけられたり、気軽に持ち運べたりするサイズのものなら何でもオッケーです。
私はいつも、ディズニーキャラクターの「ベイマックス」のぬいぐるみストラップを鞄につけています。
ぬいぐるみが目に入るだけでなんとなく安心しますし、その存在にかなり助けられています。
発作を軽減する工夫
この章では、電車でのパニック発作を軽減するためにおこなっている工夫を6つ紹介します。
取り入れられそうなものがあれば、ぜひ参考にしてみてくださいね。
空いている車両を利用する
1つ目は、空いている車両を利用することです。
どの電車であっても、出発駅や終着駅の改札・階段に近い車両は混雑する傾向があるように思います。
そこを避けて乗車するだけでも、ストレスの軽減=発作リスクの軽減に繋がることが多いと実感しています。
私はいつも、改札や階段の距離は無視し、なるべく人が少ない車両を探して乗るようにしています。
混雑時を避けて利用する
2つ目は、可能な範囲で混雑する時間帯を避けて乗車するのもおすすめです。
当たり前の話ですが、平日の朝や夕方は、通勤・通学などで電車が大混雑します。
休日の場合も、朝10時を過ぎると徐々に混雑する傾向にあるように感じます。
そのため私は、できるだけ以下の時間帯に電車を利用するようにしています。
- 平日の11時から15時まで
- 休日の10時まで、もしくは20時以降
あくまでも私の経験に基づいた工夫ですが、ご参考になれば幸いです。
有料座席を利用する
3つ目は、有料座席を利用することです。
特急列車や新幹線など、一部の電車には「有料座席(指定席)」が用意されています。
有料座席はある程度のプライベート空間が確保できるので、通常の座席よりもストレスなく過ごすことができ、発作のリスクを軽減できます。
私はここ数年、遠方に出かける予定がある際は必ず有料座席を予約するようにしています。
もちろん、余計に費用はかかってしまうのですが、お金を払う価値は十分にあると思います。
途中下車して休憩する
4つ目は、移途中で電車を降りて休憩することです。
電車を降りて休憩すると、張り詰めた緊張感が一気に緩和され、緊張や不安が落ち着きます。
私も過去に、途中下車して休憩し、数本分の電車を見送ってから目的地に行ったことが何度かあります。
時間に余裕がある場合限定ですが、ひとつの方法として知っていただければ嬉しいです。
家族に付き添ってもらう
5つ目は、家族に付き添ってもらうことです。
少し遠い場所に行く時や、体調が思わしくない時は、父か母のどちらかに付き添いをお願いすることがあります。
「万が一の場合は知っている人が助けてくれる」という安心感は、パニックの軽減とストレスの緩和につながります。
もしもご家族がパニック発作に理解のある方ならば、付き添いをお願いしてみても良いかもしれません。
車やバイクで移動する
6つ目は、車やバイクを有効活用することです。
私はもともとドライブ好きのため、どうしても電車を利用しなければいけない状況じゃなければ、基本的には車で移動しています。
生きづらさは「乗り越えるもの」ではなく、上手に向き合って生かしていくものだと思います。
電車の克服も良いですが、ドライブライフやバイク旅を楽しむのも、立派な生き方のひとつではないでしょうか。
まとめ
本記事では、パニック障害当事者の私が電車を利用時ににおこなっている対処法や工夫を紹介しました。
パニック障害が影響してひきこもりになってしまったり、学校や仕事に行けなくなってしまうケースは少なくありません。
けれど、対処法や工夫次第では、たとえパニック障害があっても電車を利用できる場合もあります。
あなたのペースで、あなたに合った方法で、パニック障害と向き合ってみてください。
その向き合い作業は、いつかきっと、あなたを支える人生の糧になると思います。

以下の記事の「努力だけではどうにもできないこともある」という項目にも、自身のパニック障害について綴っています。
もしご興味がある方は、こちらもぜひ読んでくださると嬉しいです!
