【経験者が語る】うつ病家族への対応方法は?おすすめの接し方や言葉がけについてまとめました
「どのように声をかければいいかわからない」
「励ましたいのに、逆に傷つけてしまっている気がする」
うつ病の家族と向き合う中で、そんな悩みや戸惑いを抱えている方も多いのではないでしょうか。
この記事では、5年前にうつ病を患った経験者の私が「家族(両親)からの対応で嬉しかったこと」をまとめています。
記事の後半では、それらの経験談をもとに「うつ病患者さんへのおすすめの接し方・言葉がけ」もまとめています。
あくまでも一個人の体験談となりますが、身近にうつ病患者さんがいる方々のご参考になれば幸いです。
- うつ病家族への接し方に悩んでいる
- うつ病当事者とうまく関わる方法を見つけたい
- うつ病当事者のリアルな気持ちを知りたい
嬉しかった対応【行動編】

この章では、両親にしてもらって嬉しかった対応(行動編)についてまとめました。
体調が優れない私を気遣い、生活面でさまざまなサポートをしてくれました。
外出に付き添ってくれた
1つ目は、外出に付き添ってくれたことです。
体調が優れない時や、遠くの外出で不安が大きい時は、父や母が外出に付き添ってくれました。
- クリニックの診察
- 近所への買い物
- 遠方へのお出かけ、旅行など
特に私は「パニック障害」の影響で電車利用が難しかったため、父や母が車を運転し、いろいろな場所に連れて行ってくれたことがすごく嬉しかったです。

うつ病が一番ひどかったのは大学院生の時だったため、大学まで車で送迎してもらったことも多々ありました。

買い物や片づけを手伝ってくれた
2つ目は、買い物や片づけなど、私ができない作業を手伝ってくれたことです。
- 在庫が切れた日用品を買って来てくれる
- フリマアプリの商品を代理で発送してくれる
- 部屋の掃除や片づけを手伝ってくれる
- 返却期限が迫った本を図書館に持って行ってくれる
うつ病を患っていると、自分が思うタイミングで、思うような行動を起こせない時も少なくありません。
そのため、両親からのこのようなサポートは、日常生活を送る上でとても救われました。

体を休める環境を整えてくれた
3つ目は、体を休める環境を整えてくれたことです。
私はHSP気質のため、心身の疲労が溜まっている時は、無音の環境でゆっくり休む必要があります。
そのため両親は、私の体調が優れない日があると、
- 夕方すぎまで外出し、自宅を私一人にしてくれる
- 私が寝たい時は、家事や用事を中断して、音を立てないように気を配ってくれる
というような方法で、自宅で安静に過ごせるよう配慮してくれました。
父や母は決して若くはありませんし、自分のタイミングでゆっくり休みたい気持ちもあったと思います。
それでも「あなたが元気になれることが大事だから」と、無理のない範囲で私が求める環境を整えてくれて本当に嬉しかったです。

体調に合わせた献立を考えてくれた
4つ目は、体調に合わせた献立を考えてくれたことです。
一口に「体調が悪い」と言っても、その時に体が欲する食物はさまざまです。
- あっさりした和食
- 焼き肉や唐揚げのようながっつり系の食事
- 野菜たっぷりの温かいスープ
母ほとんど毎日、私の体調や気分に合わせた献立を考え、準備してくれました。
「今日の私はどんな食事を欲しているのか」を考えることは「自分を知る」ことにつながると思います。
自分を知ることで、生きづらさやとの付き合い方も少しずつわかってきたので、すごくありがたいサポートでした。

サポート機関を一緒に探してくれた
5つ目は、サポート機関を一緒に探してくれたことです。
うつ病発症時、父はネットを使い、さまざまなカウンセリング施設や相談機関を探してくれました。
その情報をプリントアウトして渡してくれたおかげで、私は行政の無料カウンセリングに辿り着き、約1年間通うことができました。
症状が重い時はスマホで情報を調べることすら難しい場合が多いので、ものすごく助かりました。

嬉しかった対応【接し方編】

この章では、両親にしてもらって嬉しかった対応(接し方編)をまとめました。
痛みに寄り添い、やさしく接してくれたことがとても嬉しくて救いになりました。
「こうしたい」に寄り添ってくれた
1つ目は、私の「こうしたい」という願いや希望に寄り添ってくれたことです。
うつ発症直後、両親は「あなたが心地よく過ごせるために、私たちができることがあれば教えてほしい」と言ってくれました。
そのため私は、自分が家族にしてほしいことを都度考え、その気持ちを両親に伝えました。
- 体調が悪い時は、一人でゆっくり休める環境にしてほしい
- 体調が悪い時は一人でゆっくり休める環境にしてほしい
- もし泣いていたら、ゆっくりと話を聞いてほしい
- 都合が合えば外出に付き添ってほしい
両親は、可能な範囲で上記のような願いを叶えようと奮闘し、サポートしてくれました。
私が比較的早くうつ症状から脱せたのは、両親が私のために「心地よい生活づくり」を徹底してくれたからだと思っています。
とことん話を聞いてくれる
2つ目は、とことん話を聞いてくれたことです。
症状が重い時は、頭の中が混乱してパニックになることも多かったので、その混乱を鎮めるために母がたくさん話を聞いてくれました。
夜中の3時くらいまで話し込むことも少なくなく、友人や知人には話しづらい話題も、快く聞いてくれました。
当時はものすごく苦しかったですが、母と2人で友達のように話合えたことは、私の大切な思い出のひとつになっています。

攻撃的になった時、やさしくなだめてくれた
3つ目は、攻撃的な気持ちになった時に、やさしくなだめてくれたことです。
発症初期の頃や、症状が重く出た時は、攻撃的になって暴れたり、乱暴な言葉を発したりしてしまうことも少なくありませんでした。
そんな時、母は心を乱すことなく、やさしく私を抱きしめ、気持ちが落ち着くまで背中をさすってくれました。
おそらく、何かしらの言葉をかけられていたら、余計に気持ちが昂っていたと思うので、
- 何も言わずに抱き締め、背中をさする
という接し方は、当時の私にとってはすごく有り難かったです。
「幸せに生きられるように願ってる」
4つ目は「早く元気になれるように、幸せに生きられるように願ってる」という、父からの言葉です。
私はこれまで、父に対して、
- 嫌われているのではないか?
- がっかりさせてしまっているのではないか?
という思いが強くありました。
真面目で教育熱心な人だったので、不登校やひきこもり、うつ病になった私のことを軽蔑しているのではないかと思っていたからです。
そのため、こうして素直な思いを伝えてくれたことはすごく嬉しかったですし「もっと父のことも頼ろう」と思いました。

うつ病を寛解させた今でも、人生に行き詰ることがあると必ず思い出す言葉です。
おすすめしたい対応方法

この章では、1章と2章の体験談を踏まえながら、うつ病患者さんへのおすすめの対応方法を紹介します。
接し方や声かけの方法など、少しでもご参考になる部分があれば幸いです。
症状のつらさを理解する
1つ目は、うつ病患者さんの症状のつらさを理解することです。
うつ病患者さんの苦しみを軽減するために最も有効なのは、周りにいるご家族や友人からの「理解」だと思っています。
- 日常生活での困りごとを聞く
- どんなことができて、どんなことができないかを聞く
上記のこと意識しながら、症状のつらさを正しく理解し、ご本人さまが安心して回復につとめられるよう見守っていただければ幸いです。
「共感」を大事にしながら、話をたくさん聞く
2つ目は「共感」を大事にしながら話をたくさん聞いてあげることです。
心の苦しみを一人で抱えきれなくなった時「誰かに話を聞いてほしい」という気持ちから、ご家族を頼るうつ病患者さまも少なくないと思います。
そんな時は、
- ご本人さまの経験・思いを否定せずに受け入れる
- 「正論」ではなく「共感」を大切にする
ということを意識しながら、いろんな話を聞いてあげてほしいです。
たとえ目に見える状況が変わらなかったとしても、優しく話を聞いてくれる人がいるだけで、心がすごく楽になります。

「何かあったらいつでも聞くから」と事前に伝えておくと、ご本人さまも話しやすいと思います。

迷った時は「May I help you?」
3つ目は「May I help you?」の心構えを持つことです。これは日本語で、
- 「何かお手伝いできることはありますか?」
という意味ですが、この心構えこそ、うつ病患者さんに対して一番必要なものであると考えます。
うつ症状が重かった時、母は必ず「私に手伝えることがあれば何でも言ってね」と声をかけてくれました。

今でも、派手に体調を崩した時は「何かしてほしいことがあったら教えて」と言ってくれます。
今の私が幸せな毎日を過ごせているのは、上記のような母からの言葉があるからだと思います。
もしもうつ病患者さんへの対応を迷うことがあったら、ぜひ「May I help you?」の心構えを意識してみてください。

ご自身の体調・予定を優先する
4つ目は、ご自身の体調や予定を優先しながらサポートをおこなうことです。
私の両親はさまざまなサポートをおこなってくれましたが、何かしらの事情でサポートが難しい時は、無理せず断ってくれました。
そのうえで、
- こういう方法なら力になれると思う
- 今日は無理だけど、明日なら対応できるよ
という感じで、代替え案を提示してくれることが多々ありました。
うつ病患者さんへのサポートはとても大切ですが、ご自身の心と体を犠牲にしてしまうのはあまり良いことではありません。

私自身も「自分のせいで父母に無理をさせてないかな?」ということが常に気になっていました。
ご自身のためだけでなく、ご本人さまのためにも、無理のないサポートを心掛けてほしいと思います。
ご本人さまの存在を肯定する
5つ目は、ご本人さまの存在を肯定することです。
- 私なんかが生きていていいのだろうか?
- 家族や職場(学校など)に迷惑をかけている私は最低な人間だ
うつ病を患うと、上記のような思いから自分を責めたり、生きる意味を見失ったりしてしまうことも少なくありません。
そんな時、家族が自分の存在を認めてくれ、その気持ちを素直に伝えてくれたことは、当時の私にとって一番の救いとなりました。
無理のない範囲で構わないので「あなたは私にとって大切な人だよ」ということを、積極的に伝えてあげてほしいです。


あれこれ深く考えず、ありのままの気持ちをシンプルに伝えてほしいと思います。
まとめ|想いや生き方を肯定し、痛みに寄り添ってほしい

本記事では、うつ病経験者の私が「家族からの対応で嬉しかったこと」と「おすすめの対応方法」についてまとめてみました。
症状が重かった時、周りの人に最も求めていたことは「ただただ辛い気持ちに寄り添って、話を聞いて、自分の存在を肯定してくれること」でした。
もし身近にうつ病で苦しんでいる方がいる場合、ただ話を聞いてあげてください。
そして、その方の想いや生き方を肯定し、痛みに寄り添ってあげてください。
きっとそれが、うつ病患者さんにとって一番の救いになるはずです。


