就労継続支援(B型)の体験談|就労支援事業所を利用して良かったこと・大変だったこと
うつ病やパニック障害、社交不安障害などがあると「ふつうに働くこと」が難しい場合もあると思います。
そのような方に向けた選択肢のひとつとして、就労移行支援事業所の利用があります。
しかし、支援専門サイトや事業所のサイト情報だけでは、なかなかその実態がつかみづらいところもありますよね。
そこで本記事では、就労継続支援(B型)に通った経験のある私が、事業所を利用してよかったこと・大変だったことをまとめました。
記事の後半では、自身の体験から導き出した「就労移行支援事業所に向いている人のポイント」も綴っています。
就労支援を利用するかどうかを悩んでいる方、リアルな体験談を知りたい方はぜひ参考にしていただけると嬉しいです。
- 精神障害があって、就労支援の利用を悩んでいる
- リアルな雰囲気やスタッフとの関わりを知りたい
- 実際に利用した人の体験談を読んでみたい

通所していたのは、精神・知的障害者が対象のPC作業専門の事業所です。
ちなみに私は、うつ病やパニック障害で精神障害者手帳2級を所持しています。

就労支援B型体験談|事業所を利用して良かったこと

この章では、就労移行支援事業所を利用して良かったことを4つまとめました。
仕事内容そのものよりも、通所の経験を通じて学んだことが今の自分に生かされていると感じています。
自分に合う仕事・働き方を見つけられた
1つ目はやはり、自分に合う仕事や働き方を見つけられたことかなと思います。
事業所に通っていろんな経験をする中で、
- 自分に合う仕事環境
- 自分の性格・特性
- 自分に合う生き方
など、自己分析に必要な情報を改めて整理できたからこそ、今の私はこうして「たんぽぽの栞」という活動をすることができています。

私がこうして「フリーランス」という職業にたどり着いたのは、就労支援事業所のおかげと言っても過言ではないかもしれません。
電車利用のトラウマが解消された
2つ目は、電車利用のトラウマが少しだけ解消されたことです。
事業所までは地下鉄を利用して通っていたのですが、その地下鉄は、大学時代に何度もパニック発作を起こしたトラウマがある路線でした。


途中で引き返したり、何本も電車を見送ってから乗車したり……いろんなしんどい思い出があって、しばらく利用を避けていました。
そのため最初は、
- ちゃんと乗れるだろうか?
- 途中でしんどくなって、またトラウマが増えたらどうしよう
と不安でいっぱいでしたが、意外とふつうに乗車することができました。
- 昔はできなかったことも、時間がたてばできるようになることがある
という成功体験を積み重ねられたことは、私にとって大きな自信になりました。
一瞬だけ「オフィスワーク」を体験できた
3つ目は、ほんの一瞬だけですが「オフィスワーク」を体験できたことです。
実はオフィスワーク自体は、大学4年のころにやっていた旅行会社の事務バイトで体験したことがあります。

しかし、そのときはバイトで働いているのは私のみで、ほかの方は全員社員という環境でした。
その一方で、就労支援はみんなが「利用者」として同じ立場で働いていたので、
- 私は今、この組織の一員として働いている
というような自覚をより強く持つことができました。
なんだか、ドラマでよく観るような“ふつうの女性の働き方”を体験できた気がして、ちょっとだけ嬉しかったです。

市内の中心部のビルの一角にあり、観葉植物がいろいろと置かれていてそれっぽい雰囲気だったのも良かったです(笑)
「精神障害に悩んでいるのは一人じゃない」と知れた
4つ目は「精神障害に悩んでいるのは一人じゃない」と知れたことです。
うつ病やパニック障害などの精神障害のしんどさは、目に見えてわかることがありません。
そのため、周りからの理解が得づらかったり、自分だけが孤独なように感じたりして、
- この苦しさを抱えているのは、自分だけなのでは?
みたいに思ってしまうことも少なくありませんでした。
しかし、さまざまな事業所を調べたり、見学したり、実際に通ったりする中で、
- 自分と同じような病気や生きづらさを抱えた人は、ほかにもたくさんいるんだ
ということを、改めて実感することができました。
そうやって視野を広げることができて「私だけじゃない」と知れたことは、大きな安心感につながりました。

普通に街を歩いているだけでは、精神障害の有無なんてほとんどわからないと思います。
だからこそ孤独を感じやすいところもありますが、意外とそうでもないんだなと知れて良かったです。
就労支援B型体験談|利用して大変だったこと

この章では、就労支援事業所を利用してみて大変だったことを4つまとめました。
体調のことや対人関係のことなど、実際に通ってみないとわからないストレスがたくさんありました……。
通所による体調的な負担が大きかった
1つ目は、体調的な負担が大きかったことです。
私はもともと、電車利用や人込みに不安があったため、通所利用ではなく在宅利用を希望して就労支援事業所に入りました。
- 最近は、在宅で仕事ができる就労支援事業所も増えています。
- 気になる方は、ぜひお近くの事業所に問い合わせてみてください。
見学の際、在宅利用を希望していることを伝えると、スタッフの方から「最初の数回は通所が必要」と言われました。
それで「まあ最初だけならいいか……」と思って通所を始めたのですが、なぜか一向に在宅利用の許可が下りませんでした。
そのため、ただひたすらに、望んでいない通所利用を頑張る羽目になりました。
市内の中心部にある事業所で人手がとても多かったので、余計に体調的な負担が大きかったです……。

結局、いつまで経っても在宅利用に移行できる見込みがなかったので、在宅許可が下りる前に退所してしまいました。
交通費を引いたら収入がマイナスになった
2つ目は、交通費を引いたら収入がマイナスになってしまったことです。
私が通っていた事業所は、交通費の支給がありませんでした。※①
そのため、
- 工賃(お給料)
1時間300円×2時間=600円
- 交通費(電車賃)
片道460円×2=920円
という感じで、工賃よりも交通費のほうが多くかかってしまい、結果的に1回の通所あたり320円の金銭負担がかかっていました。
ある程度の期間の通所を続けていれば、作業の進捗状況によっては工賃の値上げも期待できたと思います。
しかし、私が通っていた事業所の工賃上限は400円だったので、どうあがいても収入は見込めない状況でした。
お金だけがすべてじゃないとは思いますが、ちょっと虚しく感じました……。
※①:B型の場合は、事業所によって支給の有無が異なるようです。
ほかの利用者と関わりがしんどかった
3つ目は、ほかの利用者との関わりにストレスを感じたことです。
私は人と関わることがあまり得意ではなく、HSP気質の影響もあってすごく疲れてしまいます。

そのため、基本的には一人で静かに過ごしたかったのですが、私が通っていた事業所はそれが難しい環境でした。
- 仕事はすべてグループ制で、スタッフが決めたグループで作業をする
- 月に一度のレクリエーションがある
- 休み時間になると、ほかの利用者が話しかけてくる
私が一番つらかったのは、月に一度のレクリエーションです。
最初は「自由参加」と言われていたのですが、いざ入所してみるとほぼ全員強制参加で、私が参加を渋っていたら無理やり誘われることも……。
正直、見学のときはもっと静かで落ち着いた雰囲気だと思っていたので「実際に入所しないとわからないこともあるんだな」と思い知らされました。

スタッフからはもちろん、企画担当の利用者からも作業の時間中に「よかったら参加しませんか?」とか言われてしんどかったです。
「仲間外れ」のような経験をした
3つ目は「仲間外れ」のような体験をしたことです。
入所当初、私は新しく発行が開始される機関紙の編集作業を任されていました。

機関紙出すとはいえ、今までずっと文章書ける人がいなかったから……。
このタイミングであなたのような人(文章書くことが好きな人)が入所してくれて本当にうれしいし、感謝してます!
入所当日、管理者と担当スタッフさんからそのようなことを言われてすごくうれしかったことを、今でもよく覚えています。
しかし、蓋を開けてみると、私が編集を担当できるのはほんの一部でした。

グループ制での作業が基本になることを知らなかったのもあり、私一人で担当するのだと思っていたのです……。
しかもなぜか、編集会議は毎回私抜きでおこなわれ、会議の日程はおろか会議の内容すら教えてもらえなかったのです。
ちょうど初回会議のタイミングで私が体調を崩していたので、スタッフの方が気を遣ってくださったのかもしれません。
ただ、編集メンバーの一員であるにもかかわらず、会議の日程や内容を教えないのは気遣いとは言えないと思います。
入所のときにめちゃくちゃ感謝されたのが嬉しかっただけに、なんだか「仲間外れ」にされたような気持になってとても悲しかったです。

「会議の内容を教えてほしい」と伝えても「また改めて」と言われるだけだったのでそれも嫌でした。
スタッフの理解やサポートに物足りなさを感じた
4つ目は、事業所で働いているスタッフの理解やサポートに物足りなさを感じたことです。
- 電車利用や人混みがしんどいから、なるべく早く在宅利用に移行したい
- 人とのコミュニケーションが苦手なので、できるだけ一人で過ごしたい
- レクリエーションに無理やり誘わないでほしい
- 私の思いを聞かずに勝手に物事を決めたり、進めたりしないでほしい
そのような私の気持ちを理解し、尊重してくれるスタッフの方は、残念ながら一人もいませんでした。
一度だけ勇気を出して、
- 「通所するうえで、こういうことが負担に感じる」
- 「私は今後、仕事をするにあたってこういうことを望んでいる」
と、私の正直な思いを担当スタッフの方にメールで伝えたこともありました。
しかし、それ以降も状況はまったく変わらず、いろんなことを我慢したり、負担に感じたりする日々が続きました。
人間関係には相性の良しあしがあるとはいえ、決してそれだけでは片づけられない問題がたくさんあった気がします。
就労支援B型体験談|利用が向いている人

私自身はおそらく、就労支援に向いていない人間だったんだろうなと思います。
そんな自分の体験を踏まえながら、就労支援事業所の利用が向いている人のポイントについて独自の視点で分析してみました。
同じ境遇の仲間・友人を見つけたい人
1つ目は、同じ境遇の仲間や友人を見つけたい人です。
就労支援事業所では、同じような病気や生きづらさを抱えた人とたくさん出会うことができます。
男女比や年齢層などは、事業所によって多少の差はあると思いますが、
- 「生きづらさを共有できる相手を見つけたい」
- 「友達になれる人がほしい」
- 「病気に理解のある人とのコミュニケーションを楽しみたい」
という方は、一度利用してみる価値があるんじゃないかなと思います。
会社勤めやアルバイトを目標にしている人
2つ目は、会社勤めやアルバイトができることを目標に掲げている人です。
就労支援事業所は、原則が対面での通所となります。

在宅利用の場合でも、私のように最初のうちは通所が必要になるケースがほとんどです。
また、入所した後は、
- 週に何回くらい通うのか
- 慣れてきたら、どのくらい通所を増やすのか
ということを考えながら、通所の頻度や仕事内容を調整していくことになります。
そのため、将来的に会社勤めやアルバイトを考えていて、それに向けて生活リズムや体調を整えたい方にはすごくおすすめだと思います。

その一方で、私のように在宅で働きたい人は、就労支援に通うメリットはあんまりないかなと思います。
スタッフのサポートを受けながら働きたい人
3つ目は、スタッフからのサポートを受けながら働きたい人です。
就労支援事業所には、職業指導員や生活指導員などのスタッフが在籍していて、働くうえでの不安や困りごとを相談できる体制が整っています。
私は正直、何度相談しても期待していたようなサポートは受けられなかったのですが、
- 突発的な体調不良があること
- 電車や人込みがしんどいこと
- お薬の副作用で体調を崩しがちなこと
このような「ほかの職場だったら話しづらい事情」を遠慮せずに話せる相手がいたことは、ひとつの救いになっていたような気がしています。
「まずは病気や生きづらさを話せる環境で働きたい」と思う方は、就労支援の利用が向いているかなと思います。

ただし、自分の不安や困りごとを正しく理解して対応してくれるかどうかは、スタッフの力量次第かなと思います。
就労支援B型体験談|まとめ

本記事では、実際に就労継続支援(B型)を利用した私が、事業所を利用して良かったこと・大変だったことをまとめました。
正直、嫌なことやストレスを感じることもたくさんありましたが、就労支援を利用したからこそ今の私があるのは事実です。
そのため、私自身は「就労支援を利用して良かった」と思っています。
もしも就労支援が気になる方は、興味をもった事業所に見学に行かれることをおすすめします。
たとえ見学だけで終わったり、私のようにすぐにやめることになったりしても、何かしらの学びや気づきはあるはずです。
あまり深く考えすぎずに「新しい角度から自分を見つめ直す手段のひとつ」として、気軽にチャレンジしてもらえたらいいなと思います。


